腰痛物語⑥

40代に入るころから座ったきり動かない生活が続いた。定期的にスポーツジムには行くが、家では家事以外ほとんど座ったまま。先述の通り、ひざが痛いので横座りが多かったと思う。腰の痛みは増すばかりだったが、あまり気にしていなかった。というよりも30代の後半で不安神経症と診断され、抗不安薬を処方されるようになってから何か前向きなことをしようとか、問題を解決しようとか言う気力がなくなってしまっていた。流されるまま家事をして、薬が無くなると病院に行って同じようなことを医師と話して同じような薬を処方されるという繰り返し。気持ちが落ち込むと腰痛も悪化する感じだったがジムのダンスレッスンを受けるとなんとなく動けてしまう。このころから鎮痛剤も日常的に飲むようになっていった。

40代の半ばからひどい更年期障害も始まった。ホットフラッシュや頭痛、下痢と便秘の繰り返し、体重の減少、気持ちの落ち込みもさらにひどくなり、また子供たちの受験もあって、生きた心地がしなかった。母親がこんな状態なので、たぶん子供たちも不安だっただろう。きちんと向き合えていなかったので特に上の子の反抗期はどうしていいかわからず泣いてばかりだったと思う。夫は家事全般何でもできるのだが、このころ出張がとても多く、週末ですらいないことが多かった。受験に関しては夫が学校の三者面談に行ってくれて先生と話してくれたので、子供たちもまるっきり放任というわけではなく、何とか切り抜けられたと思う。

座る、という姿勢はかなり体に良くないらしい。きちんと背筋を伸ばしていたとしても、座るだけで、骨盤や腰椎にかなりの負担をかけている。ましてや床に横座りの状態なんていいはずがない。悪い意味で集中力のある私は、こたつに入ってネットサーフィンしたり、YouTubeに見入ったり、刺繍に何時間もかけたり、腰痛製造機みたいな生活をしていた。週に何回かエアロビクスをしていたとしても、普段の姿勢が悪ければあまり意味はない。むしろ、ゆがんだ骨盤や背骨でさらに激しい動きをするのはその歪みを助長していたんじゃないかと思う。

子供たちが無事に受験を終え、進学のために家を出ていき、ほっとしたのもつかの間、実の母親の認知症が始まる。そして地獄みたいな実家に帰る羽目になった。

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