腰痛物語⑤

40代までの腰痛は、なにかあるとちょっとひどくなるけど、動けなくなるほどではないし、エアロビクスに通えるくらいだから、よくある「腰痛症」というものだった。整形外科での診断もそうだった。

けれども、今にして思えばこのくらいの時にちゃんとした対応をしていればもっと元気な50代を迎えられたと思う。それまでの自分の生活を振り返って見て反省すべきことがたくさんあるが、中でも気を付けるべきだったなと思うのは、ひざが痛かったためにそれをかばおうとして左右不均衡な姿勢が多かったことだ。特に床に座った時に痛い方のひざを曲げられないため、片方のお尻を少し浮かせ、骨盤をゆがめた姿勢で座っていた。こんな格好で長くは座れないので、すぐに横座りになるのだが、これが骨盤にもひざにも大変よろしくない。骨盤だけでなく、おそらく体幹の筋肉すべてに左右差ができたと思う。横座りは最も体に良くない姿勢の一つだ。

その一方でよかったこともある。それはエアロビクス運動を続けていたことだ。全身運動をする習慣ができていたので、その時間は左右差のない動きをすることができる。エアロビクスは初心者でもできる手軽な運動だし、音楽に合わせて体を動かすことはたぶん誰でも本能的に楽しめる活動だと思う。もちろん、一緒に運動する仲間がいればなおの事楽しい。私は本来机に向かって一人でちまちまとした作業が好きな性分なので、エアロビクスに出会わなかったら、手芸とか読書とか極めて不活発な時間しか持てなかったと思う。それも楽しくていい時間ではあるけど、体力的には衰えていくばかりだったろう。身体は動くためにある。持っている能力を使わなければ、不調になるばかりではなく痛みや不快感を生じることになる。

子育て中は忙しくてなかなか自分の時間が持てないけど、(仕事を持っていればなおさらだ)子育て中だからこそ、自分の体に目を向けて、楽しい時間を持つのはとても大事だ。若いとどうしてもお肌やファッションが気になるけど、私は何といっても骨格に注目すべきと思う。骨の位置が正しくないと、細かろうが太かろうが筋肉が正しく動かず、美しくない。逆に骨の位置が正しければやせていても太っていても動きが無駄がなくて気持ちがいい。多くのエアロビクスの先生を見ていると、単に細い人が美しいのではないことがよく分かった。もちろん、インストラクターで著しく太った人はいないけど、多少太めでも動きが素敵な人ばかりだ。いつも先生方の動きをお手本にして少しでも近づきたいなと思って頑張っていたけれど、家でヘンな姿勢で過ごしていた私の股関節や体幹の筋肉はどんどん不均衡な状態が続いて腰痛はひどくなるばかりだった。

最近は筋トレ女子が増えているらしいけど、とてもいいことだと思う。私は若いころ、とにかく細いのがいいと思っていた。でもそれは間違いだった。健康でなければ美しくない。太さに関係なく、骨格が正しい位置にあって、筋肉が無理なく動ける体であれば自然と美しく見えると思う。やりすぎはよくないけど。

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