海外旅行の帰りの機内で見た。

「検察側の証人」というアガサ・クリスティーのミステリーがある。こちらは最後にどんでん返しがあって、おもしろかった。子供の時に読んだのによく覚えている。クリスティーの中でも一番好きなものの一つだ。

こちらはどんでん返しというよりは、主役の一人である検察官が自分の正義感のためにどんどん深みにはまっていって、ついには検察官としてもっともしてはいけないことをやってしまうその過程を描いている。それに気づきながら抗えない部下たちの葛藤もなかなか面白かった。

ベテラン検察官がキムタク、その部下がニノと吉高由里子。ジャニーズの二大トップアイドルと人気若手女優。もうこれだけで見るのよそう、と思いがちなんだけど、旅の空なんで、普段は見ないのも見てみたら、意外と面白かった。キムタクも、ニノもアイドルではなくて、俳優なんですね。今さらかな。キムタクが優秀な検察官のはずなのに、個人的な怨恨のために職業倫理に反する行為をやってしまう過程と、ニノの犯人を追い詰める姿が印象的でした。ぱっと見は優しげな人が本気出すと、一番怖いんです。

でもちょっと、演出が過剰というか、カッコ悪いところが多々あった。最近みたゲイのダンスの先生がよくやるしぐさをそのままニノにやらせていて、なんかヤダなと思った。それに、ニノと吉高ちゃんが絡むシーンもヘンな姿勢でしゃべらせていて、何の効果を狙ったのか意味不明。平たい顔族には過剰な性描写はいらないと思う。性をテーマにした映画ならありかもしれないけど、これは違うでしょう。なんかちょっと、アイドル二人に今までにないエロスなところを見せたかったのかもしれないけど、それはここでいるのかな。私はうざいと思ったし、監督の要求だとしたら、せっかくの映画全体の雰囲気にあってなくて、やりすぎだと思う。正直言って不愉快。エロスを表現したかったら、他の映画でやればいいのに。

善と悪は人によって違う。殺人は絶対に悪いことだけど、世の中にはこんな人、死んだ方がいいんじゃないかと思う人はたくさんいる。なので自分に権力がなくて本当によかったなと思う。普通の人に生殺与奪の権利なんかあったら、大変なことになる。だから、長い時間をかけて人が簡単に人を殺さなくて済むようにシステムを作り上げてきたと思う。それでも、世界のどこかでは物事の決着をつけるのに人を殺すという手段が選ばれている。こないだもとある大国がとある宗教の指導者を殺害したし。普通は殺人は犯罪なのに、集団的に合法に殺人を行ってそれがよいことのように報道される。実際私もこれでテロが減るといいなと思ったけど、そうなのかはわからない。

というわけでそこそこ面白かった。でも正直に言うと、途中で中だるみして帰りの機内でもあったし、ちょっとうとうとしてしまった…。

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