娘が喫煙者になっていた

前々からおかしいなあ、とは思っていた。

百円ライターが部屋のあちらこちらにある。そう頻繁に娘のアパートに行くわけではないが、行けば掃除をしたり、洗濯をしたりするのだが、アロマキャンドルなどを焚くにしてはライターの数が多い。貸していた車がたばこのにおいがしたこともあった。一緒に出掛けた友達が吸ってるから…と言っていた。

しかし、今回はジュースのビンいっぱいに詰まった煙草の吸殻を見てしまい、その場で「吸ってるのね」と軽い感じで聞くと「うん」という返事…。

大げさじゃなく、奈落の底に落ちる感じ

こんな感覚は、夫ががんの宣告を受けた時以来だ。ひざから下の力が抜けていく感じ。すうっと周りの風景が遠のくような。一瞬気が遠くなり、そうなんだ、と言うのが精いっぱい。

どこで間違ったんだろう。どうしてそんなことになってしまったんだろう。やっぱり自分の子供のころからの接し方が間違っていたからだ。

自分を責めることばかりが頭に浮かんでしまう。そして、娘本人の健康が気がかりで仕方がない。

自分を振り返る

自分も学生時代に煙草を吸ったことがある。バブル真っ盛りのころは、同年代の男子はほとんどが喫煙者だった。同性の友達にも吸っている人が何人かいて、飲み会の後なんかはよく吸っていたものだ。好奇心で吸ってみたりしたが、口の中に煙が入るだけでおいしくない。何がいいんだと思っていたが、一度だけ肺まで吸い込んでしまったことがある。

とんでもなく気持ち悪く、めまいがし、その後下痢になった。血液中にニコチンが巡るのと同時に身体が拒否反応を起こしたのだ。以来、煙草を吸おうだなんて全く思わない。吸っている人間も見下してきた。「やめようと思えばいつでも辞められる」という女友達の言うのを聞いて、「できるもんならやってみろ」と思っていた。実際、50代の今、まだ吸っている。

何かに依存するという状態

でもよく考えると、向精神薬を辞められないことは煙草を吸わないではいられないことと大差ないかもしれない。片方は医療機関で医師の処方箋のもと、手に入れるが、煙草はもっと簡単に手に入れられる。娘はもう大人なので、年齢確認されても何の問題もない。

自分と同じように好奇心から始まったのだろうか。何かからの気晴らしで始まったのだろうか。

聞きたいことが渦巻くように湧きあがる。

でも根掘り葉掘り聞いても、たぶん答えてくれないだろう。

雑談はしても、ある一定のことに関してはまったく耳を貸さず、会話を拒否される。いつからそうなのか、分からない。

自分も向精神薬を飲んでいたことについて聞かれるのはつらいから、聞けない。

分からないようにしている…

彼女のアパートにしばらく泊まるのはこれが初めてではない。今回も部屋の隅に小さくまとめてある吸殻をみて分かったことだから、たぶん親に分からないようにしていたのだと思う。

もう、24歳だ。学生のときもクラブでバイトしたりして本当に心配した。私から生まれたけど、わたしとは全然違う人…。当たり前のことなんだが、どうしたものか、困っている。でも実際はもうそれぞれの生活を淡々と続けていくほかはないような気がしている。

自分が向精神薬を辞められたのは、夫がいたからだ。一人ではとてもできなかったと思う。でも逆に、夫の病気がなかったら精神科に通うこともなかったような気もする。結果論なので分からない。

なんであれ、自分が依存的なものに一度は陥ってしまったことがあるためにむしろ何も言えなくなっている。

夫には言ってみたけど…

帰宅してから、夫にしばらくの間言えずにいたが、なにかの拍子に言ってしまった。夫はびっくりしたというか、がっかりしたように溜息をついていた。転職したときも心配したし、今回のことも心配していると思う。でも、夫も本人には何も言わない。そっとしている。

みんな大人だから、それぞれの生活を送っている。

ああ、でもなあ、気が滅入るなあ。庭の植物と猫だけが心のよりどころだなあ。(´;ω;`)

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