メンタルクリニックに行く前に

メンタルクリニック、心療内科などの医療機関にも10年以上通った。6人の精神科の医師にかかった。

生活上の悩み、苦しみのタネは薬を飲んだからと言ってなくならない。薬を飲むことによって一時的に自分の感じ方が変わるだけ。それをわかっていて飲むならば薬の効用はあるかもしれない。しかし、薬の成分が体からなくなった時、当然ながらもともとあった状況はなくならず、まえにも増してつらく感じる。そして、また薬を飲まずにはいられない。こんな悪循環に陥りがちなのだが、少なくとも私が出会った医師たちはそのようなことは一切言及しなかった。

悩み、苦しみ、悲しみの原因はさまざまあるが、外的なものやことが変わることを期待しても無駄だ。メンタルクリニック、心療内科などの名称で多くの医療機関があるが、精神薬を安易に処方されることに疑問を抱く。「こころの風邪」などと言って、精神科へ行くことのハードルを下げた時期があったが、今ではそのようなCMを見かけない。ベンゾなどの薬の弊害があまりに深刻だったからか。

私は、抗不安薬などの薬を飲むとしたら、家族の死、事故や事件・災害に巻き込まれてしまったなどの自分ではコントロールできない急激な変化に対応できなくなったときに期間を決めて行うことだと思う。ただ漫然と薬を飲み続けるのはよくない。

医師は、難しい勉強を続けて資格を獲得した優秀な人々に違いないが、最新の薬の知識があまりない医師も残念ながらいる。なんでも知っている、いつでも正しい対応をしてくれると期待せず、やはり自分のことは自分で判断するしかない。

処方された薬について、また治療方針について詳しく聞いてみることが必須だ。

私がかかった最後のメンタルクリニックの医師は、ワイパックスの服用量が増えて困っている、という話をしたところ、満面の笑みで「SSRIといういいお薬があります」と言った。その時、私ははっきりと医師に頼ることはできない、と思った。

薬をやめたい、とはっきり言っているのに、どうして新たに薬を処方しようとするのか。医師も儲けなくてはならないから?自分の希望をはっきり言わないと、どこまでも相手のペースに巻き込まれる。医療機関にかかるときは、たいてい心身が弱っているときだし、医者はいちばん頼りにしたい存在だ。弱者を前にして自身の利益優先の医者が多すぎる。そういう人もいるんだ、と思ってかからないと、とんでもない目に遭わされることがあるかもしれない。とくに医療については、自分の身体が犠牲になりがちだから、譲れない。

もちろん、医師の方が正しいことも多くあると思う。たとえ間違った選択だったとしても、自分で決めたことなら納得できると思う。ベンゾを処方された最初のころに今の知識があったら、その後の10年間はかなり違っていたと思うのだけど。少なくとも、SSRIの服用を避けられてよかったと思っている。実際、SSRIを飲まなくても、断薬できた。

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