ワイパックスとレンドルミン

ベンゾジアゼピン系のワイパックスと睡眠導入剤のレンドルミンを10年以上飲んでいた。その間、仕事もして子供たちも成長期だったのでいったん始めてしまった薬をやめる勇気が出ず、ずるずると飲み続けてしまった。今から思うと、夫がいてくれたので先に薬をやめてそれから働く算段をすればよかったかなと思うのだが、その時は働かなければという強迫観念があり、そっちを優先してしまった。薬をやめるにしてもどのくらいの期間かかるか分からなかったし、医師は投薬しながら続けられることは続ければという感じだった。

最初は、いい薬だと思っていたけれど…

ところが、ワイパックスという薬は、飲み始めるとどんどんそれに依存するようになり、飲む量が増える一方になるものだった。同時に私はひどく頭痛が出るようになり、ワイパックスと鎮痛剤を飲むのが日常化してしまった。眠れないことが怖くて、レンドルミンも飲み続けた。こちらはかなりの間増えることはなかったが、10年目くらいから効き目が落ち始めたように思う。

更年期と実家の片付けの重荷

と同時に更年期に入り、食欲不振と急な血圧の上昇で動機がひどくなり、いわゆるホットフラッシュというのも始まり大変な状態に。子供の受験も重なって生きてる心地がしなかった。何を見ても涙が出てくるし、食欲がない。何も食べずに鎮痛剤を飲むと吐き気がするので毎朝薬を飲むためにビスケットとお茶だけを摂取するという情けない食生活になってしまった。

子供たちが進学し、無事に一人暮らしを始めたなと思ったとたんに今度は実家の母が認知症に。母の家とすでに亡くなった祖父母の家2軒がゴミ屋敷状態になっていることがわかり、その片付けに新幹線で2時間の距離を毎週のように往復する羽目に。

もうこれ以上ひどい状況はないのではないか、と感じる中でどういうわけか10年以上も飲んでいたワイパックスの摂取量が少なくなっていった。

薬では何も変わらない

当たり前といえば当たり前なんだけど、どんな悩みも状況も薬を飲んだからと言って変わらない。強いて言えば薬を飲んだら自分の感じ方が変わる。それでちょっと気持ちが楽になって何とか時間を過ごすことができるのだけど、薬が切れた時にそれまでにも増して悩みや悩みのタネである状況がつらく感じられる。

悪循環の始まりだ。ベンゾ系の薬は覚せい剤にもたとえられるほど。いったん飲み始めるとやめられなくて困る人が本当にたくさんいる。私もその一人だった。

繰り返しになるが、薬で環境は変わらない。悩みのタネの過去、状況、人が変わることはない。自分が変わるというか、考え方や行動を変えるしかない。

長い間、薬にばかり頼る生活をしてしまって、後悔しかない。

人間関係や職場の悩みで精神科やメンタルクリニックに行くのはもちろん自由なのだけど、依存性の高い薬を飲むのはとても危険だし、薬で気が楽になったら、むしろ良くない兆候なのではないかというこだ。

生活のリズム

悩みのある時は、できるだけ普通に暮らすのがいい。次の5つの時間は変えずに毎日を過ごすのがよいと聞いて、それだけは守るようにしていた。

起きる時間、3度の食事の時間、寝る時間。

食事の内容はうつ状態のときはあんまり気にせず、好きな食べ物、食べられるものだけ食べたらいいと思う。そもそも食べることが苦痛というときもある。なんでもいいからこの5つの時間はあんまりずらさず。その合間には当たり前のことをして過ごす。

歯を磨いて食事の支度をして、片付けて、出かけて、帰ったら着替えて食事の支度して食べて片付けて…という普通の生活をちゃんとするだけでずいぶん時間がかかる。ベンゾの禁断症状が出ている間はどういうわけか死にたいとか、泣きたいとか、妙な焦燥感とかがあって、普通じゃないことをしたくなったけど、普通の作業を淡々とこなすことでいつのまにか時間がたって、薬の摂取量も減っていった。

先に書いたように、実家の豹変ぶりにびっくりして対応しなければならないこととか物理的に片付けなければならないことが多すぎて薬を飲むのも忘れていることが多かった。ある意味ショック療法だったのかも。

自分の身体には自分が責任をもつ

娘の大学の周囲にどういうわけかメンタルクリニックの看板を掲げた医療機関が多い。まだ若い人達に依存性の高い薬を処方しているのではないかと思うが、それはどうなんだろう。若いだけに思い詰めることもあるかもしれない。悩みによるけど、何年もたってみればそれほどでもなかったな、と思えることもある。たとえば失恋とか。若い人はそのあといくらでも挽回できる時間がある。それなのに妙な薬で悩みをごまかしながら時を過ごすのはどうなんだろう。

薬のおかげでつらい時期を乗り越えられた、という人もいるかもしれない。実際にうまく使っている人も知っている。なんでもすぐ依存してしまう人とそうでない人がいる。私はすぐに甘えるタチなので、だめだった。

食べ物でも薬でも自分の体に入れるものには気を付けないと。医師も人間なので、言ってることをうのみにせず、薬について疑問に思うことはどんどん聞いてみることだ。うるさがるようなら主治医を変えた方がいいかもしれない。

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