フランス旅行⑥ ルーブル美術館とシテ島

パリでの最初の朝。ホテルの朝食会場は、1階のエントランス横の一角。十数人しか入れないほどの広さの部屋の隅に、パン数種類、ジャム、バターなどと卵料理とハム料理、チーズなどが並べられている。もう片方の壁際にエスプレッソマシンが置いてあって、こちらもセルフでとって席に持っていく。ニースの時と同じで野菜がほとんどないヨーロッパ式。

朝は食欲がほとんどわかないから、パンにバターをつけ、コーヒーで流し込んで終わり、にするつもりが、なんとなく卵もハムも取ってしまう。食べ始めるとおいしいので残さず食べてしまう。ここの朝食会場が狭いのに何だかおしゃれで居心地がいい。食器とかシンプルな色カタチなのに、素敵に見える。何でかな。

今朝は、朝からルーブル美術館の日本語ガイドツアーに参加する。日本からネットで予約済みだ。昨年、ローマに行った際にはボルゲーゼ美術館のガイド付きツアーを予約したのだが、英語ガイドしか残っていなくて、説明はほとんどわからなかった。その時の失敗があったので今回は迷わず早めに日本語ガイドを選択。

指定の場所で15名ほどの参加者と合流すると、ガイドさんに導かれてルーブルの入口へ。開場時間とともに入場するのだが、入り口付近はすでに行列ができている。団体扱いなのでそれほど待たなくて入れますよ、とガイドさんが説明してくれる。やはり、日本語での案内は安心できる。

手荷物検査を経て、ルーブルのピラミッドの真下へすすむ。その途中、パリができる以前に築かれたという防壁の遺跡を見学。石が組み上げられているのだが、この石にハートのマークが付けられているものがある。

ハートのサイン?

これがなんなのかなー?という興味深い話をガイドさんがしてくれたので、知りたい方はツアーに参加すべし。

ということで、いよいよルーブルの内部へ。経験豊富なガイドさんが厳選してくれた日本での有名どころを網羅した内容で、3時間のツアーがあっという間だった。見たものすべてを写真で残しておきたいほどだったが、ルーブルにあるものは日本で美術書や旅行ガイドを見れば見ることのできるものがほとんど。それでも美術通とおぼしき人が、「フェルメールのほにゃららは見れないの?」とガイドさんに聞いていたのだが、それをこれから見るためにはかなりの距離を歩かなければならないうえに、これからもっと見学者が増えるので団体で移動するのは困難だから、今日はメニューに入れていません、とのことだった。

それでも、本当に3時間たっぷりかけて、内容の濃い見学ができたと思う。初めてのルーブルなので、よほど予習をしっかりした人でなければ十分なのでは。なにしろ広いし、収蔵品数は莫大だし。

見学後はルーブルのおみやげ物屋さんをちょこっと見て、地上へ。しばらく歩き回って、ギャラリー・ヴィヴィエンヌへ入る。ここは19世紀に盛んに造られたパリのパサージュの一つ。以前に読んだ小川洋子の「最果てアーケード」のモデルになったと私が勝手に思っているところ。パサージュはパリの中にいくつかあって、ここはルーブルから歩いてすぐだ。

パサージュは、日本で言うと商店街、つまりアーケード。パリで一時ブームになったらしいが、百貨店ができてから消費者の買い物スタイルが変わって廃れていったらしい。日本と似ている。ところが場所によっては再開発され、古き良き時代の雰囲気を味わえる場所として、観光客を集めることとなった。ギャラリー・ヴィヴィエンヌも素敵なレストランやブティック、古本屋、おもちゃ屋さんなどがテナントになっているが、それほど賑わっている様子ではない。市松模様の床や、何気に装飾されている柱、天井まで細かい模様が彫り込まれていたりと、凝った作りが見られて面白かった。パサージュについては、鹿島茂著「パリのパサージュ」に詳しい。私は、本当はパサージュだけを見て回りたいくらいなのだが、そうもいかない。

ギャラリー・ヴィヴィエンヌのレストランで昼食を食べたかったのだが、見るからに高そうなので、しばらく歩き回って、セルフでサンドイッチなんかを選んで食べるカフェに入った。ショーケースにあるサンドイッチや飲み物を選んで、黒人のウエイトレスに注文する。

朝早くから美術館を歩き回って、かなり疲れた。まだ2時ごろだったので食べると元気になって、シテ島の方へ行くことになった。ノートルダム寺院はこの春の火災で見れないけれど、コンシェルジュリーはぜひとも見なくては。

ステンドグラスで有名なサント・シャペルを見学した後、コンシェルジュリ―へ。世界史に興味を持ったきっかけがマリーアントワネットなので、その人が最期を過ごした場所を見てみたかった。もともとは宮殿なので石造りの荘厳な建造物だ。革命時に牢獄となって、王妃マリーアントワネットの独房や祈りを捧げた祭壇、囚人たちが限られた時間だけ散歩を許された中庭などを見る。中庭っていうか、空き地だ。

日の差さない独房は想像するだけで恐ろしい。ここからたくさんの人たちがギロチン台に送られたのかと天気のためだけじゃなく背筋が寒くなる気分だった。

憲兵の間と言われる地下の大広間では、マリーアントワネットにまつわる物が展示されていた。実際に使われていたドレスや、彼女を題材にした映画、イラスト、ポスターなど。その中で池田理代子先生の「ベルサイユのばら」がかなりのスペースを割いて展示されていたのは納得なのだが、残念なことに坂本眞一先生の「イノサン」が取り上げられていなかった。「イノサン」のアントワネットを取り上げないなんて、ないわーと内心ツッコミを入れながらも興味深く見て回った。

朝から歩き回って、本当に疲れた。近くのカフェで夫がコーヒー、娘がパフェを頼み、両方をちょっとずつもらって一休みする。疲れた時にはカフェインと糖分がよく効く。

今日は、ルーブルを見ただけでも満足。初めての場合はやはりガイドを頼むのが正解だったと改めて思う。先達はあらまほしき。

明日はヴェルサイユ宮殿を見学。

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