グレイヘア

白髪染めをやめてみて1年余りたって思うことを綴ります。

まず、一番最初に言いたいことは、生活が楽になったということです。私は年齢の割に白髪が多かったのでカラーをしても3週間くらいで根元に白いものが見え始めて次にいつ美容院に行くかいつも考えなければなりませんでした。カットだけなら、多少伸びすぎていても気になりませんが、根本だけが白いのはみっともないとしか思えませんでしたので。

カラーをやめる、といった際にもっとも抵抗されたのは、担当の美容師です。いわく、「まだ早いよ!」「すごく老けるよ」「もう少し頑張ろうよ」「(白髪が)黄ばむよ(だからみっともないよ)」etc,etc…

カラーを10年以上も続けてきたことで、私の髪はもともと細かったのがますます細くコシがなくなり、髪を洗うたびに溶けてなくなるのではないかと思うほどでした。その悩みをいくら説明してもこの美容師は聞く耳持たず。刺激の少ないモノを選びます、というけれど、白髪を染める原理は一緒なのだから、化学薬品に頭皮をさらすことに変わりはありません。髪のコシがなくなる、ということでいつのまにかカラーの後のトリートメントが当たり前になり、カラーを保つために専用のシャンプーとコンディショナーを買うことになり、そうこうするうちに毎月の美容院代が1万円を超えることに。費用のこともそうなのですが、とにかく時間を取られることがものすごいストレスでした。根元に白いものがあることでいつも鏡の頭頂部をのぞき込まなければならず、とってもみじめ。自分より背の高い人と話すのも嫌になるし。

カットのうまい美容師だったのですが、カラーも自分の思う通りではないと満足しない、という感じです。自慢ではなくてこの人の担当になってから事実髪形をよく褒められていました。でも髪がなくなっちゃったら、色もへったくれもないです。髪が細くなることで次々にケア用品を買ったり施さなくてはならなくて、まるで生活が美容院中心に回っているようなのがとっても嫌でした。

最後にこの美容師にカットしてもらった際は、ほとんどカラーの部分が無くなっていたのですが、全くやる気がなくなったらしく、散切り頭で放り出されました。あまりのひどさに別の美容院に行ったところ、「自分で切ったんですか?」と言われる始末。いままでで一番ひどいカットだとは思っていたものの、後ろもひどいですよ、と言われて本当に悔しい思いをしました。

美容師さんたちにとってはカラーを定期的にしてくれた方がいいに決まっていますよね。でも実際頭皮にカラーはよくないです。私の髪は、カラーをやめたことでコシがもどり、太く元気な髪になりました。確かにきれいに染めた方が若く見えるでしょうが若く見えることだけが私の生きる目的ではないので構いません。

美容師さんはそれぞれに美意識があるのかもしれないですが、顧客のニーズに合わせるのがお金を取って仕事をする人の義務なんじゃないでしょうか。「もう少し頑張る」とは、だれのためですか。髪が細くなるほどの化学薬品を頭に毎月のように塗ることで得られるものは何でしょう。それが原因でがんやそのほかの病気になったとしても、美容師がそれを証明することも保証することもありません。白髪染めに関しては美容師の取ったもん勝ちです。

このようなことは白髪染めということ以外でも生じているような気がします。例えばファッション。毎年、毎シーズン新しい色や形が提案され、それに乗らないとみっともないような気にさせられます。そこまでいかなくてもこれが今年のスタイルだよ、と言われるとなんとなくわくわくしてすでに十分持っているのに買ってしまう。一つの洋服を買うと、それに合わせて靴やバッグ、アクセサリもそろえたくなる。もしかすると、髪の色も変えたくなるかも。

ことの重大さはまるで違うかもしれませんが日本の精神医療もそういう部分があると思います。少し前に「うつは心の風邪」などというキャッチフレーズで精神科へのハードルが著しく下がったことがありました。安易に抗不安薬を処方された結果、医師の管理下で服用したにも関わらず中毒症状を起こし、それを治療するためにまた異なる薬を処方される。白髪染めなんて、これに比べれば小さいことかもしれませんが、必要のないことをしているのにそれなしではいられない状況を作り出す、というのはモノを売りつける典型のような気がします。

グレイヘアからとんでもなく違う方向に話が行ってしましました。

まったくの自分自身の髪色になって1年、寝起きの際などに鏡を見ると、正直ぐぐーっと落ち込みます。また、白い抜け毛を見るとき、ブラシに絡まった髪が白いのを見るとき、ああトシ取ったなあと感動します。それでも自分の本当の姿でいることは楽だし、白髪がたくさんあるからこそ、表情や姿勢に気を付けるようになりました。白髪頭で不機嫌そうな様子をしていたら、もう本当に人生おしまいな感じがします。尊敬できるシニアの方々は、頭が白いかどうかに関係なく振る舞いや言動が素敵だから尊敬できるのです。自分もそのような方々に続きたいなと思う今日この頃です。

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